05/30 5000HIT お礼小説

5000HITお礼小説。

すでに10000HIT手前でこんなものを上げてるんですけれど･･････楽しんでいただければ幸いです☆



彩雨＆死にネタでお送りします。

どうぞ―――♪

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気がつけば、もう。

長い。
長い時間が過ぎ去っていたのだろう。

引き離されてからもう10年。

日付にして、3,652日。
時間にして、87,648時間。
分にして、5,258,880分。
秒にして315,532,800秒。

一瞬たりとも離れないことを願っていた過去を思えば。

永遠にも思える。
悠久の時が過ぎ去った。










再び出会うことが出来た『雨丸』は、強い暗示によって過去を失い。
真っ白な存在として、新たな時間を生きていた

失ったと。

喪ったと思っていた時間を鑑みれば。

悲しみも。
憎しみも。

喜びに置き換わったのかも知れない。










今までの、偽りのパートナーには。

迎えのファンファーレの大きな、大きなともし火の役目を与えて。
自分自身は『雨丸』を迎える役に。

待たせてしまったと。

そのことを憶えていないと知っているけれど。



取り戻すために動く。



私の声が。
その暗示の綻びをつつく役目を果たす。

私達の絆が。

暗示程度で喪うことなど無いと分かりきっているから。










「メェ。おはよう。おはようの時間だよ」

かすかに動く手を。
私は、驚愕と歓喜と共に迎える。

うっすらと震える瞼。

開かれたその琥珀の瞳が。
まん丸に見開かれて、私を見つめる、その時。

彼が。

『雨丸』が帰って来たことを理解する。

「あや、花･･････？」

「ええ、メェ。おはようございます」

久しぶりに目を覚ました『雨丸』に。
私が告げてあげる言葉は。

おはようか。
それとも、お帰りなさいか。

迷ったけれども、私は･･････。

深く押さえ込まれていた『雨丸』が目を覚ましたのだから。
綺麗に笑って、おはようと告げる。










遠くから、かすかに轟くその爆音に。

私は、小さく心の中で別れを告げる。



さようなら、蜜歌。
私の偽りの。
本物を取り戻すまでのパートナー。

さようなら、砂沙　雨丸。
『雨丸』を封じ込めるための。
偽りの人格。
本質を覆い隠した、上辺だけの存在。



ここからは、本当の二人の時間。

彩花のパートナーの雨丸と。
雨丸のパートナーの彩花の。





偽りの時間は。

こうして、終焉の時を迎えた―――



fin





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