05/21 長らくお待たせしました。

奏翔さま

相互記念小説。
書かせていただきました。

CPは彩雨。
子供の頃でほのぼの･･･で書かせて貰いました。

めぇの口調が･･･どうしようか迷ったのですがこんな感じで表記しちゃいました。
ほのぼので書けてるでしょうか？？？

楽しんでいただけると幸いです。

ちなみに霧堵は月明かりの下で庭園を見たことは、一度だけです。
しかも日本の庭！というタイプでなお且つ満月ではありません。
参考にしつつ書きましたが･･････勝手な想像だと思ってくださって結構ですので。

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静まり返った闇の中。
夜の道を静かに進んで。

二人で見た。
静まり返ったその景色は。

昼間とは違って冷たく人を閉ざすような、守るようなそんな強さがあった。

でも。
そんな中で感じるものは。

穏やかな。

暖かな時間。










「あや。ねえ、あやおきて」

割り当てられた自分のベットから抜け出して、眠い目を擦りながらも、雨丸は彩花に声を掛ける。

他人の気配に敏感で。
雨丸よりも神経質といわれる彩花だけど。

唯一、雨丸の気配にだけはまったく反応したことが無い。

それは。
彩花が雨丸のことを信頼してくれている証だからとても嬉しいことだけど。

今だけはちょっと悲しい。

いつもは、雨丸が小さく呟くだけでも反応を返してくれる彩花が。
今はぐっすりと眠りの中。

声を掛けても。
まったく目を覚ましてくれない･･･。

「･･････おーきーてーよぉ―――っ！！」

雨丸が、ちょっとだけ泣きそうになりながら。
だんだんと声も大きく、身振りも大げさになる。

呼んで起きてくれないなら、揺すって起きて貰うしかない。

気持ちよさそうに寝ている彩花には悪いかもしれないけど。
今日は起きてくれないと困るんだ。

「めぇ・・・？」

雨丸が軽く揺すると彩花はうっすらと目を開け、小さく声を返してくる。

もっと早くに体を揺すって起こせば良かったんだ。
もう。 

まあ、信頼できるものの傍らで一度眠ったらぐっすりと深い眠りに入るって知ってたのに。
声しか掛けなかったのが悪かったのかもしれないんだけど･･･。

「おきた？　あや」

にっこり笑って話しかける雨丸。

彩花はベットから上半身を起こし、雨丸のほうを向く。

「ええ、すっかり目が覚めましたが、どうしたんです？　今日は疲れたから早く休もうと言ったのはめぇでしょう？？」

「うん。きょうはね･･････。いっしょにおでかけしよう」

雨丸は笑顔のまま告げるが、彩花は少しばかり眉をしかめる。

この時間は、もう夜だ。
ENISHIはこの割り当てられた部屋から出ることなどできない。

身体的、能力的にはまったく可能なのだが、発覚すれば『処分』されることになる。

見つからないようにすれば良いのだろうが、見つかったときの処罰を考えれば行わないのが当たり前。
『処分』すなわち破棄されてしまうのだから。

「今から、ですか？　見つかったら怒られてしまいますよ」

「でも、でもね。いまからなんだよ」

彩花は、少しだけやめておいたほうが良いという思いを乗せて返事をしたけれど、雨丸の答えは変わらなかった。

ならば。

見つからないようにすれば良い。
雨丸が処分されないように･･･注意して、共に在ればよい。










分かりました。
それで、今からどこに出かけるんですか？

おひるにね。
みたところに、いまからいくんだよ

お昼・・・。
訓練で外へ出たときにということですよね？
いろいろ行きましたがどこへ行きたいんですか？？？

おはなばたけだよ。
しろいたてもののところにあったおおきなおはなばたけにいこう

白い建物にお花畑ですか･･････。
ああ、わかりました。ここからそう遠くない教会の聖堂と庭園のことですね。

きょうかいのせいどうとていえん？

めぇが見た白い建物と花畑のことですよ

きれいなしろいたてものだったけど。あれがせいどうなんだね。
でも、みにいくのはおはなばたけ･･････ていえんだけだよ

ええ、分かっていますよ。
でも、なぜ今日だったんですか？

だって、あやがいったんだよ。
きょうはまんげつだねって

確かに言いましたけれど･･････。
それがどうかしましたか？

まんげつってまんまるなおつきさまがよぞらをてらして、いつもよりあかるいよるなんでしょ？

はい。そう説明しましたね

だからね。きょうみたおはなばたけもきっときれいだよ。
おひさまのしただとゆっくりみれないけど、よるならゆっくりみれるでしょ？

そういうことですか。
そうですね。
でも、朝焼けが始まる頃には戻ってきておかないと不味いでしょうけれど。

あさやけ？

日没の頃、西の地平線に近い空が赤く見えるでしょう？　あれを夕焼けと言うんです。
同じような現象ですが、日の出の頃に東の空が同様に見えるのは朝焼けというんですよ。

そうなんだ。でもみれないんだよね？

ええ。その頃には戻っていないといけませんから。
･･････いつか見れますよ。

いつか？

ええ、いつか。
･･････私達がここから出ている頃には。

そうなんだ

ええ。
ですから、今日は満月の下の庭園を楽しみましょうね。めぇ

うん。





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