06/02 すごい中途半端になっちゃってる？？？

ちょっとばかり異色かも？

彩雨inWS交通課です。

彩花が班長。雨丸が班長補佐。
メンバーは他一緒？？

夏は居ても、寿は存在してないかも。

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「新人を一人預かるんだそうですよ」

不満を抱えたままに、話しかける。
話しかけたのはもちろん。
パートナーで常に傍らに居る雨丸。

雨丸はこてんと首を傾げて彩花に不思議そうに聞き返す。

「誰を？」

「警備課の子供ですよ。朧に押しつけられる様です」
忌々しいと零していることから、歓迎して無いことが良く分かる。

雨丸は、とりあえず、彩花を落ち着かせることにする。

これからの対応を考えてもらわないと。
雨丸は、いつも考えるということを彩花に任せきりにしているのだから。

「ちょっとだけでしょ？　彩」

「まあ、それはそうでしょうね。そもそもまだエイジと言うわけではないようでしたし」

「じゃあ、とりあえず。預かって誰かに渡しとこうよ。別に僕達が相手をしないといけないわけじゃないんでしょ？？？」

「それも、そうですね」

雨丸の片腕を取り、彩花は雨丸を抱き込む。
雨丸は彩花の腕の中で嬉しそうに微笑んでその胸元に顔を埋める。

こんな風に抱き込んだら、雨丸はいつもほんわりと笑って答えてくれるのに、今日は違う。

彩花に顔を見せないようにする行動は･･････。
ちょっと怒っている時や拗ねている時が多い。

「めぇ？　どうしました？」

「彩がさっきから機嫌が良くないから･･････。寂しかっただけだよ」

雨丸は顔を彩花に押し付けたまま小さく告げる。

通常ならば聞こえそうに無いが、彩花が雨丸の言葉も思いもすべて確実に聞き取っていた。

「この空間を邪魔されるのかと思うと、腹立たしかったのですよ。でも、私達が相手までしなくてはいけないわけではありませんからね」

「うん。･･････そうだよ、ね」

「預かるだけと言われてますから。まあ、私達も朧に押し付けられたようなものですからね。私達も押し付けましょう」

「二人だよね？」

不安そうな雨丸の声と表情に、彩花は少し落ち着かなくなる。

いつも笑って楽しそうで、嬉しそうで。
それだけで、彩花を包んでくれる雨丸が、今日はずいぶんと怖がっている。

雨丸がそんなふうに感じると、彩花までそう感じてしまうのに･･････。

「大丈夫ですよ。私達は、ずっと二人ですから、ね」

「うん、ずっと二人だよ。ずうっと―――」










「･･････―――――と言うわけで、本日一日だけですが、朧に押し付けられたよくわからない子供を預かることになりました。私はめぇと一緒ですから･･････。京平、貴方が預かって置いてくださいね」

「ちょっとまってくれ。どういうことなんだ？」

京平と呼ばれたバンダナを巻いた金髪の青年が答えるが、彩花は気にした風もなく答える。

「昨日いきなり預かれと言われまして。私が相手をする理由も有りませんから、京平にお願いします」

「だから、なんで俺なんだ！？」

「それはいえてるんじゃねぇ？」

「東」

「だってそうだろう？　まだ優菜とかサムとかの方が子供を預かるな無難だろう？」

東と呼ばれた青年が告げた、優菜とサム。
優菜は女性隊員だし、サムは体付きはゴツイが、性格はかなり温和だ。

子供を預かるならば、この交通課の中で一番無難だろう。

対する京平は。

姉に当たるエンプレスとパソコンで常にやり取りをしていることもあるが、科学班に引きずられたりと仕事がかさむ事もある。

当然、そうなれば子供の面倒など見れはしないだろう。

「京平、東。私の決定です。従っていただきますよ。･･････絶対にね」

彩花の口調も表情も変わっていないのに、辺りの空気の温度が格段に下がった。
絶対零度の嵐の中に落とされたかのように。

自分の身を守るためか。
誰一人として発言をすることが無い。

そんな中に遅れて、雨丸がやって来た。

「彩？　おそくなっちゃった･･････って、どうかしたの？？？」

「昨日の件ですよ」

「警備課からの？」

「ええ」

「ふーん。そう･･････。それで誰に預けるの？」

雨丸のそっけない答えの中に、ほんの少しの苛立ちが入っていることに彩花は簡単に気付いた。

「京平ですよ」

「まあ、無難な選択かなぁ？」

「そうですよね、めぇ」

「うん。僕もそう思うよ。彩」

彩花の言葉に雨丸が同意する。
が、その他のメンバーは誰も同意しない。

「だから、なんで俺が無難なんですか！！？？」

「そうだぜ。警備課からとか言ったって･･････子供だろう？？？」

「だから、ですよ」

彩花は能面のような貼り付けた笑顔を消して、鋭い瞳で京平を見る。

彩花の本気になりかけているその姿に、京平も東も口を閉じ、言葉を飲み込んだ。

班長しての彩花は隊員を信用している。
しかし、信頼しているわけではない。

隊員もその境界線が踏み込んではいけないものだということを理解している。

その境界線が、普遍的な日常に必要不可欠なものだと、配属されて少しすれば誰しもが理解せざるを得なかったのだから。

「これは、私の決定です。どうせ今日一日ですからお願いしますね。京平」

「わかりました。東も持っていって構わないでしょうか？」

「どうぞご自由になさい。東は京平のパートナーなのですから」

「ありがとうございます」

京平が、背中に冷や汗を流しながら、何とか口にした言葉を彩花は簡単に了承した。

「いえ、ではお願いしますね。預からされた子供はB1-3に居るそうですから」












「小枝　王太。ゆくゆくは栄児にと言われている存在だそうですよ。相手をお願いしますね」

彩花に言われた部屋に京平と東が行くと。
黒髪の、彩花達よりも少し若い･･････そう10歳くらいの子供がそこには立っていた。






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