08/11 ＲＡＮＫ登録企画 で貰っちゃいました♪

桂華徒然の桂華さまにいただきました。

ＲＡＮＫ登録企画の際にリクエストさせていただきました『黒彩＆黒雨でWSと全面対決して欲しいです。もうやっちゃえって言うくらいに。雨丸の所属は最終的には彩の傍らに立って、一緒にWSと対立してくれれば♪』とお願いしまして、書いていただきました。

我ながら、むちゃくちゃなリクだった気がしてただけに、書いていただけてとっても嬉しいですｖｖ

みなさんも楽しんじゃってください。

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爆音とともに、燃え上がるＷＳ施設を見つめる雨丸の瞳に紅蓮の炎が燻る。
凍てつく瞳に宿る狂喜・・・・・・・・

始まった、僕たちの・・・・・・
復讐が


保養施設の爆破を目撃したＷＳ交通課のメンバーは、本部との連絡がとれず至急本部へと戻った。
ＷＳ正門前に、夏が車を乗り付けると王太は班員へ指示を出す。
「とにかく、俺と雨丸はあやっぺのところに行って状況の確認をしてくる。何が起きているか分からないが後のメンバーは交通課にもどって待機してろ。」
「分かったよ。僕は、出来るだけ情報を集めておくよ。」
「頼んだぞ京平、俺たちもすぐに戻る。行くぞ、雨丸。」
指示を出し終えると雨丸を伴い、正面玄関へと急ぐ王太の後を交通課のメンバーが追いかける。
正面玄関まであと少しのところで、急に王太の足が止まり睨みつけるように前を見つめる先に何がるのかと交通課のメンバーがそちらへと視線を向ければＷＳ本部から出てくる数人の人影を視界に捕らえる。
その中には、見覚えのある顔ぶれが並ぶ。
「ちょっと、班長あれって。」
「あぁ、間違いなく氷魚だ！！」
王太が忌々しそうにはき捨てると、氷魚はこちらに気付いたのか嬉しそうに手を振って見せた。
その、氷魚の余裕の顔に対し王太からはいつもの無邪気な笑みは消え真剣に前を見つめる。
緊張が漂うＷＳメンバーの中1人、雨丸だけはなぜか嬉しそうな笑みを浮かべていたが誰も気付くことはない。
雨丸の視線は、氷魚の隣に立つ和服の青年へと向けられていた。
彩が来た、彩が僕を迎えに来た。
今にも飛び出していきそうな自分を懸命に抑えこみ、なんとかその場に止まる。

氷魚達と対峙するように交通課のメンバーが立ち並び緊張が漂う中、そんなもの気にすることもなく楽しげに氷魚は王太へと声をかける。
「久しぶりだね。お・う・たｖ」
「何が久しぶりだ！！お前がここに何の用だ。」
「そんなに、怒らないでよ。今回僕は、この人の付き添いみたいなもんだからさ。」
まぁ、多少は力を貸してるけどね。隣に立つ和服の青年に視線を向けると再び王太へと視線を戻す。
「残念なんだけど、今日の僕は王太の相手できないんだ。だから、僕の変わりはこの子達がしてくれるから。」
言い終えると同時に、氷魚の後ろに控えていたフードを被った黒い影が交通課のメンバーめがけ襲い掛かってきた。
王太達は、繰り出される拳を避けながら間合いを測り相手から距離をとる。
それぞれ武器を取り、攻撃態勢にはいるが王太は最初から男前を弐式へと変え剣を振るう。

ああ、班長やるき満々だね。
最初から、弐式なんて氷魚嫌われすぎじゃない。
影達のフードは所々破れ、その下からは交通課班長王太と同じ顔が見える。
氷魚趣味悪いな、もう少し他の人形作ればよかったのに。
それにしても、やっぱりWSの質って確実に落ちてるな。
「ほらほら、まだ一発も入ってないよ。」
雨丸は、余裕の笑みを浮かべ自分に襲い掛かる人形の攻撃をかわしながらそれぞれの戦闘に視線を向ける。
最初は、互角の戦いを繰り広げていたメンバーも時間が経つにつれだんだんと劣勢へと追い詰められ始めていた。
優菜とサムは、フォーメーションを取っていたが人形の動きの早さにおされ防御へ徹し、京平と東にいたっては人形達によって地に伏せられていた。
倒れる夏を庇うように寿が、襲いくる人形達の猛攻を交わしながら電丸を発動させるが人形達にはまったく通用せず腰に下げていた銃へと手が伸びていた。
唯一、優位に立って王太も京平達が相手をしていた人形が増えたことによって劣勢へと傾く。
う～ん、１体増えただけであれじゃ。やっぱり、栄児ってたいしたことないよね。
寿のナノマシンも効かないみたいだし。
さて、飽きてきちゃったしそろそろいいかな。
目の前に迫る拳を軽くかわし、人形の数倍のスピードで蹴りを入れるとそのまま後方へと下がり最後の一撃を叩き込む。
雨丸の蹴りにより壁に叩きつけられた人形は白い煙を上げ動かなくなった。
よ～し、準備運動も終わったし今度は俺の番だね。
軽く伸びをすると懐かしい感覚へと身を任せ、獲物へと目を向ける。
常人ではありえないスピードで、王太の背後へとまわり頚椎へと手刀を入れようとしたがあと少しのところで避けられてしまう。

「雨丸！？」
今まで、人形達を相手に一緒に戦っていたはずの雨丸の攻撃に王太から驚きの声があがる。
「残念、上手く入ってれば死んでたのに。ここで、死んでた方が楽だったかもね。」
クスクスと楽しそうに笑う雨丸の凍てつく瞳に、王太は地に縫い付けられたように動くことが出来ない。
だが、その様子がさらに雨丸の笑みを深める。
どうしようかなと、視線を氷魚の横に立つ彩花に向けるが最初と変わらず無表情のままただなりゆき見守っているだけだ。
俺が話してもいいってことかなこれは。
どんな、反応をするのか楽しみだな。
「そんなに、驚かないで下さいよ。王太班長。」
交通課のメンバーを見下げる雨丸の変貌に困惑する姿に小さく笑みが浮かぶ。
崩れ落ちる、偽りの時。
偽りは塵と化し本来の姿を。
もっとも、残酷なる現実を・・・・・・・・・・・。

「まだ、わかりません。俺のこと。」
あれだけ、あからさまな行動とたんだから分かりますよね。
俺が貴方達の味方じゃないって事ぐらい。
「それじゃ、改めて自己紹介させてもらいますね。ＷＳのみなさん。」
変わることの無い、無邪気な笑みだがその瞳に笑みは無い。
「俺は、ＷＳ交通課の砂紗雨丸なんていうお馬鹿さんじゃなくてＥＮＩＳＨＩの雨丸です。班長も聞いた事があるでしょ。第一級犯罪組織　縁の名前を。俺は、その組織の副頭領なんですよね。」
極上の笑みを浮かべ紡がれる言葉は、甘すぎる毒を含む。
「本当は、頭領にと押されたんですけど俺って人を動かすよりも自分が動く方が好きなんですよね。」
ちなみに、頭領は彩花なんですよと嬉しそうに側からに立つ青年を紹介する。
氷魚の人形たちによって、倒され動く事のできないＷＳ職員達を眺めながら雨丸の笑みは深まる。

なんだ、たかが人形でここまで抑えられるなら俺がわざわざ動かなくてもよかったかな。
もう少し、手ごたえがないと面白くないな。
「そうだ、王太班長ありがとうございました。わざわざ俺に、蹴り技主流の朧月無双流を教えてくださってとても役立ってますよ。」
そう、今みたいにね。
雨丸は、倒れ伏す王太を気にすることなく蹴りつける。
容赦なく急所を狙った蹴りに、王太の体に激痛が走り抑えることの出来ない叫び声が上がる。
しかし、雨丸にとってその声は雑音でしかない。
いいザマですね、王太班長。
よくも、俺のことなんか何も知らないでパートナーだなって言えますね。
貴方みたいな人を身の程知らずって言うんですよ。
「ねぇ、ＷＳの番犬さんたち。なぜ、俺がＷＳにいたと思います。」
楽しそうに、眼前に立ち並ぶＷＳ本部を見つめる。
「簡単な事ですよ。自ら作り上げた俺たちの力に畏怖を覚え、機会を窺いながら処分を考えていたＷＳを壊してやるためです。そのために、俺は彩花から離れ記憶をなくしたフリをしてＷＳにいたんですよ。だから、最初から貴方達なんてどうでもいいんですよ。」




後編につづく





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