04/07 続きだよ♪

『スキノイミ』の続きですｖ

これで終わりだよ

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教会の中は、誰かに荒らされたのだろうかあちこちがボロボロになっていた。


破れた硝子から射す光は、それでもなおこの教会が神秘的な所なのだと教える。


綺麗だった―…。


白いドレスを身に纏っている人なんかいないし、それを見ている人間だっていない。


けれど、輝きは残っていた。ここで式を挙げた者たちの幸福な気持ちが今もここで輝きを放っている。


何もかもがキラキラしていて、綺麗に見えた。


「幸せの中には、こんな温かさがあるんだね」


めぇが呟いて上を見た。


見上げたそこには、イエス=キリストの像がある。


自分達の何倍もの大きさをしているそれ。


「めぇ…」


小さく引かれた服の重みに顔を向けると、彩花が何か言いたげにしていた。


「誓い合う二人は…愛し合った男女…なんだ…って」


「えっ…」


外出許可を得たあの日、博士が教えてくれたのだと言う。


いつまでも互いを愛し合い、互いを助け合い―――


幸せな家庭を造ることを誓うのだと。


いつまでも、一緒にいるためだけに誓うのではないのだと…―――


「だからあの時…彩花は誓わなかったの？」


「きっと…めぇの好きは違うと思ったから…」


ボクの好きはめぇと違う、そう言って悲しそうに揺れた瞳を向けて来た。


神の前では嘘は言ってはいけない。


だから彩花は真実を言った。


一人で悩んで考えて、
きっと苦しかったはずだ。


だから雨丸もできる限り伝えた。


「えっ…？」


彩花が目を丸くして、両手で口もとを覆って――


「めっ、めぇっ！？」

顔を真っ赤にした。


「オレの好きはそんな好き。彩花に触りたくなる、そんな好き」


彩花にキスをして、笑った。


「オレは誓うよ、彩花と一緒にいることを。世界中の人間の中で、オレは他の誰でもなくて彩花を選ぶよ？」


伝わったかな？


そう思っていると、ガバッと抱きつかれた。


その瞬間、ガッと雨丸は頭をぶつけたが彩花は気付いていなかった。


「めぇ！ボクもめぇが好き！めぇと同じ好き！！」


涙を溜めた瞳は嬉しそうだ。


ギュウギュウと力一杯抱きつかれて、少し苦しい。頭がクラクラしてくる。


「めぇっ！？」


やっと雨丸の変化に気付いた時には大惨事。

「彩…花…？」


頭からドクドクと血が流れていた。


雨丸は気付いてないのか、？が浮かんでいる。


「…るよ…」


「ふぇ…？」


「帰るよ、めぇ！！」

雨丸の腕を掴んでギュインッと地面を鳴らして猛ダッシュで走りだした彩花。


雨丸は未だ事についていけていなかった。


―――――――――


幸い傷は浅くて一週間もすれば治ると言われた。


それを聞いてホッと胸を撫で下ろす。


今はめぇが眠っているベッドの横にいて、

幸せそうに顔を綻ばせているめぇに、一体どんな夢を見てるの？と聞きたくなる。



違いが少なくて同じが多くても、好きは違うと思っていた。


だから、今はゆっくり寝かせてあげるよ。


それに――…


「大好きだよ、めぇ。ボクも誓うよ」


あの場所では言えなかったけど。


「めぇとずっと一緒にいることを。めぇだけを選ぶことを」


彩花は眠る雨丸にキスをした。甘くとろけそうな、そんなキスを。


「んっ…」


途中でめぇが喉を鳴らしたけど、起きはしなかった。


それに――――


それにね。


めぇが起きてたら恥ずかしいでしょ？


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