04/07 別の連載か！？？

ちょっとまた別の話を上げる？？かもしれない。霧堵です。

いい加減自分の首が回っていないことに気付くべきだろうに･･･。
と、思いつつも今日はupできるものをupしていきます。

この辺りから、毎日更新はかなり難しいから･･･。
上げられる時には、さっくりとupしていかないとね。

できたら、連作にする予定の「月光花（げっこうか）」ですが、彩雨inWS特務課です。
霧堵はinWSがどうやら苦手かなぁと思っておりますので、単発で終わる可能性もありだけど。

---

「戻られるつもりですか？」

小さく。
片耳に付けられた通信機から、聞き慣れた声が届く。

僕は辺りを見回し、誰一人として、こちらに意識を向けているものが居ないか確認する。

先ほどの通知で、辺りに緊張感が漂っているが。
周囲を警戒しているだけで、こちらに意識を向けているものは居ないようだった。



僕はただのカフスに見えるその通信機に軽く触り、答えた。

「うん。仕方がないよ。だって特務が出るんでしょ？」

「ええ。ですが、わざわざ私達が出るほどのものでもありませんが･･･」
「良いんだ･･･。外は知ったし。僕だけ自由っていうのにも反感があったしね」

「めぇ･･････」

通信機越しにも聞こえて来る彩花の溜め息に、納得していないことがはっきりと伝わる。

でも、譲るつもりなんて無い。

ずっと。
ずっと長い間。

パートナーなのに･･･。

会う事だって制限されていた。
言葉だって、この通信機を秘密裏に貰わないと聞くことのできないかった。

この長い時間。

僕は。

ずっと。
ずっと悲しかったのだから。

「別にあの人が嫌いな訳じゃないし、ここが嫌な訳でもないんだよ。でも。･･･ここにはみんなが居ない」

そう。

この外には。

自由と言う名の、真綿の檻の中には。

同じ。
大切なみんなは誰一人として居ない。

「仕方がありません。私達は―――」
「それは、僕もでしょ？」

彩花の言葉は分かる。

でも、それを言うなら僕だって同じだ。

なのに。

どうして、僕だけここに居ないといけないの･･････

「めぇ」

そこの方がずっと幸せでしょう？
と彩花の言葉が聞こえてきそうだ。

でも、聞かない。

ずっと、その言葉を聞いて。

一人でみんなが出てくるのを待つのは。
もう疲れたんだ。

だから。

「決めたんだ。もう･･･。だから、ずっと一緒に居てね」

戻った先が。

血と闇の深淵だとしても。

それでも。
共に在れるなら。

僕はそっちを選ぶ。

「―――貴方が望むなら」

僕の意思が覆らないと思ったのだろう。
彩花から出た肯定の言葉に。

僕は満面の笑みで答える。

「もちろん！」



web拍手を送る