05/10 1000HIT お礼小説 第4弾

お礼小説第4弾。
偽りの平穏の彩花視点です。


良かった。
最後までupできたよ。

でも。
なんというか、ねぇ。

最後がどうも気に入らず。
色々と書き直してたんですけど･･･こんな感じにしちゃいました。

ちょっと変わった？？感じかもしれないです。

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一通のメールが届く。

送信者の名前も不明。
件名も不明。

そして、宛先すら不明のどうやって届いたのかすら分からない。

けれど。

長いこと待ち望んでいた、再開の合図に。

暗がりの中で、ひっそりと笑った。










目的の部屋に入り込めば少年と大人数名が言い争いをしている姿が目に入る。

雨丸を庇う様に立ち、言い争いをしていることを思えば。
その少年がここの班長なのだろう。

だが。

あの年で、特務部。

絶対的な殺傷力が必要となる特務課ではないのだけれど。
班長・・・・・・栄児となれば。

係わり合いがあるのかもしれない。

過去の。
捨て去った。

―――葬り去った日々と。





だが。

関係など、無い。





去ることを選ばなかったのか。
選べなかったのか。

それとも。
それすら知らないのか・・・。

分かりはしないが、理解もするつもりも無い。

この痛みを理解できない『ENISHI』など、『仲間』ではないのだから。










彩花は軽く右手を振り上げ、力を解放してみせる。

まずは・・・、すでに邪魔でしかない人間達を先に。

騒がれては面倒なので。
殺さない程度に、意識を奪う。





「お前、何者だ・・・」

驚きに目を見開き、警戒心も顕に訊ねてくる少年に。
少し面倒だと思いつつも、答えた。

「ひどい言われようですね。あなた方が危険そうでしたので助けて差し上げたというのに」

彩花の答えを聞いてなのか。
それとも、近づいてくる見知らぬ人物に警戒しているのか。

無意識にか。
それとも、意識的にか。

少年のパンダを持つ手に力が入る。

「まあ、そんなことはどうでも良いんですよ」

彩花は通り過ぎる際に一瞥し、一言、少年にだけ聞こえるように声を落とすと。

有無を言わせずに王太の隣を通り抜け、声を書ける。

少年の後ろに、庇われるようにして立っていた。

砂沙　雨丸に。










「めぇ。遅くなってしまいましたか？」

「ううん。そんなことないよ」

久しぶりに会った。
大切な。
たった一人のパートナー。

雨丸･･･。
めぇが小首を傾げて答える。

「そうですか？　それは良かった。少々騒がしかったので、心配してしまいました」

「僕も動いちゃったから。・・・ダメだった？？」

くすくすと小さく笑いながら雨丸が告げる。

けれど。
その陰には小さな不安が見え隠れしている。

先ほどの煩わしい人間達がここに居た理由に。

多分･･･。
関わっているのでしょうけれど。

「いいえ。すべてはめぇの好きなように」

彩花が返した言葉に。
雨丸がポツリと答える。

「あやに怒られるかと思った」

「僕がめぇに対して怒る筈がないでしょう？」

「そうだよね。大好きだよ、あや」

彩花の答えを嬉しそうに聞き。
飛びつくように、雨丸は抱きしめて告げた。

「僕もめぇが大好きですよ」 

抱きついた雨丸を抱きしめ返すと。
雨丸はそっと、彩花の胸元に顔を埋めた。










急に雨丸が離れたかと思うと。
琥珀色の瞳をまん丸に見開き見つめてくる。

彩花は。

そんな雨丸に笑みを浮かべて手を差し伸べる。

「じゃあ、行きましょうか」

「うん。そうだね」

しっかりと握り返す雨丸を連れて部屋を出ようとするけれど。
雨丸が彩花以外を見て動かない。

そして。

その目線の先には。
特殊部交通課の人間達が居る。

彩花は雨丸の疑問に答えるために口を開いた。

「邪魔はできないようにしておきましたからね。･･････力の応用です。動くことも、話すことも彼らは出来ませんよ」

「すごいや。準備万端だねっ！！」

雨丸の声が弾んでいて。
とても楽しそうで。

それだけで。

その嬉しさは連鎖する。



「では、行きましょうか？」

「うん。あ、そうだ・・・」

思い出したかのように小さく呟くと。

雨丸は少年に言葉を告げた。

「さようなら、班長？」

その少年の。

告げられた言葉を理解した瞬間の。

絶望に打ちひしがれたような表情が。
彩花を何よりも喜ばせたのかもしれない。

なぜならば。

その姿は。
今の関係の崩壊を意味しているのだから。










白で染められた。

正義(WS)と言う名のEDENには。

作り出された。

兵器としてのENISHIは存在できても。

それ以外は存在できない。

成長し。

知ってしまった。

得てしまった禁断の果実(知識)は。

私達を変貌させ(かえ)る理由となった。





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